「AIの弱点を1つだけ挙げるなら?」と聞かれたら、私はずっと迷わず「デザインを確認して、調整する能力」と即答してきました。仕事でAIの検証を数えきれないほどやってきた上での、変わらない答えでした。
その即答が、できなくなりました。2026年夏にそろって登場した最新世代のAI、Fable 5とGPT-5.6 Solが、この「唯一の弱点」をまとめて消してきたからです。
最新モデルのニュースは流れてくるけれど、「で、実際のところ何が変わったの?」と感じている方へ。私の身に起きたことを、そのまま書きます。
Q01AIはデザインや画面の見た目の調整まで、できるようになったのですか?
できるようになりました。2026年夏に登場したFable 5・GPT-5.6 Solの世代で、本物のデザイナーが設計したような美しいWebページが出てくるようになり、それまで「それらしい画面」止まりだった仕上がりが、細部の調整まで含めて変わりました。私が長年「AIの唯一の弱点」と断言してきた領域です。
誤解のないように言うと、以前のAIも画面のデザインがひどかったわけではありません。パッと見それらしいものは、前から出てきました。
できなかったのは、そこから先です。ボタンの位置が微妙にずれる。配色がどこか気持ち悪い。「ここを直して」と頼むと、今度は別の場所が崩れる。プロンプト(AIへの指示文)を何度書き直しても、モデルを替えても、最後の追い込みだけができませんでした。
ここで一線を引いておきます。これは絵を1枚描いてもらう話ではありません。動くソフトの画面そのものを設計し、確認して直す という話です。
Q02なぜAIは、デザインの細かい調整だけが苦手だったのですか?
見た目の良さは、正解がひとつに決まらない感覚の世界だからです。バックエンド(画面の裏側の処理)はロジックだけの世界で、正解がひとつに決まるため、細かい修正指示が狙いどおりに通ります。一方、画面の「見た目の良さ、気持ちよさ」は感覚の世界で、それらしい画面までは作れても、最後の追い込みが利きませんでした。
| 比較項目 | バックエンド(裏側の処理) | フロントエンド(見た目) |
|---|---|---|
| 正解の決まり方 | ロジックの世界。正解がひとつに決まる | 感覚の世界。正解がひとつに決まらない |
| 細かい修正指示 | 狙いどおりに通る | 「それらしい画面」までで、最後の追い込みが利かない |
| 以前のAIの到達点 | 驚くほど賢く、細部まで追い込めた | あと一歩だけが埋まらなかった |

中身の処理なら当たり前に通る「細かい調整」が、UI/UX(画面の見た目と、触ったときの心地よさ)では通らない。だからこそ私は「AIの弱点はデザインの調整」と、どこでも断言してきたわけです。
Q03Fable 5とGPT-5.6 Solで、実際にどこまで作れるようになりましたか?
本物のデザイナーが設計したような美しいWebページが出てきます。私はその勢いのまま、自社のホームページをデザイン会社に頼まず、AIと私だけで大きくリデザインしました。さらに、何度挑戦してもできなかったスマホゲームの画面デザインまで、できるようになっていました。
何より驚いたのは、ゲーム画面です。ゲームの画面は、普通のWebページよりデザインの難易度が大幅に上がります。ユーザーがタップする領域が画面全体に広がること。そして「便利」ではなく「楽しい」を生む領域なので、少しの気持ち悪さで品質が一気に下がることです。
- 迷わず押せるボタン配置
- ミリ単位でずれてはいけない設計で、ちゃんとずれない
- アニメーションの演出まで上手にできる
特にすごかったのは、この3点です。率直な感想は 「これはやばい」 でした。実際に、飼い猫が主役のスマホゲーム「テトもり!」を すべてAIで開発 し、App Storeの審査を通過して公開しています(2026年7月時点)。

画面のデザインも、猫のイラストも、演出も、裏側の処理も、ぜんぶAIとの二人三脚です。1年前の私なら「無理です」と即答していた挑戦でした。
Q04なぜ急に、AIのデザインが上手になったのですか?
最新世代で最も伸びたのが、自分の作った画面を自分の目で確認して直す能力、つまり “目” だからです。作ることと、出来栄えを確かめて直すことは別の能力で、これまでは人間がその「見る目」を担当していました。Fable 5・GPT-5.6 Sol世代は、この確認→調整のループを自分で回せます。
正直に言うと、今回の世代は “目” に限らず、全体として大きく賢くなっています。その上で、私が最も上がったと感じる能力が 自分の作った画面を自分の目で確認して直す能力 です。
自分の書いた文章より、他人の文章の方が間違いに気づきやすいのと同じで、作る力と確かめる力は別物なんです。これまでは「ここがずれてる」「この配色は気持ち悪い」と、私が何度も差し戻していました。

確認と調整のループをAI自身が回せるようになったこと。これが、デザインの「あと一歩」が埋まった正体です。
Q05AIにデザインの修正を頼むとき、うまく伝えるコツはありますか?
言葉で説明するより、画面のスクリーンショットをそのまま渡して「これを見て直して」と頼む方が、一発で通ります。“目” ができた相手には、見せたほうが早いんです。AI自身の目で見てもらう方が、人間の説明より正確です。
これは、目ができたからこそ効くようになった頼み方です。「ボタンが少し右にずれている」と言葉で伝えるより、実際の画面を見せる。それだけで修正の精度が変わります。
もうひとつ、私がAIの進化を断言できる理由を紹介します。新しいモデルが出るたびに、過去にできなかったお題をそっくりそのまま投げて試す、自分だけの試験問題 を持っているんです。
- 「AIにできなかったこと」を1つ、覚えておく
- 新しいモデルが出たら、同じお題をそのまま投げる
- 結果を前回と見比べる
この3ステップだけで、AIの進化があなた自身の手で測れるようになります。ニュースの見出しより、ずっと確かな物差しです。
よくある質問(FAQ)
- Q. AIがデザインするというのは、画像生成AIでイラストを描くことと同じですか?
- A. 違います。絵を1枚描いてもらう話ではなく、動くソフトの画面そのものを設計し、出来栄えを確認して直すという話です。ボタン配置や配色、操作したときの心地よさまで含めた、UI/UXの調整を指しています。
- Q. デザイン会社に頼まなくても、ホームページは作れるようになりますか?
- A. 実例として、株式会社GembaShiftは2026年夏、自社ホームページのリデザインをデザイン会社に頼まず、最新世代のAIと代表の黛だけで行いました。本物のデザイナーが設計したような仕上がりが、AIとの対話で出せるようになっています。
- Q. テトもり!とはどんなアプリですか?
- A. 飼い猫が主役のスマホゲームで、画面のデザインも猫のイラストも演出も裏側の処理も、すべてAIで開発したものです。App Storeの審査を通過し、2026年7月時点で公開中です。
- Q. 最新世代のAIは、デザイン以外の能力も上がっていますか?
- A. はい。Fable 5・GPT-5.6 Solの世代は “目” に限らず、全体として大きく賢くなっています。その中で、自分の作った画面を自分の目で確認して直す能力の伸びが最も大きい、というのが実際に試した上での実感です。
- Q. AIの進化を自社で確かめるには、どうすればいいですか?
- A. 「AIにできなかったこと」を1つ覚えておき、新しいモデルが出たら同じお題をそのまま投げてみることです。結果を前回と見比べるだけで、ニュースの見出しに頼らず、AIの進化を自分の手で測れます。
AUTHOR

黛 政隆(まゆずみ まさたか)
株式会社GembaShift 代表取締役CEO
エンジニア歴20年、PM経験50件超。生成AIの導入を、現場に入って一緒に組む仕事をしています。 この記事の内容は、著者自身が実際に手を動かして業務で検証した実体験に基づいています。