資料を作っていたら半日が溶けていた。それなりに整えて共有した。なのに翌日、同じことを口頭で説明している──心当たりはありませんか。
資料は最後まで読まれないことの方が多い。読まれないから、また聞かれる。聞かれるから、また説明する。この「読まれない資料」と「同じ説明の繰り返し」は、地味ですが 社内で一番削れていないコスト です。
ここを一枚の絵で終わらせる話をします。道具は、たぶんもう手元にあります。
Q01社内の情報共有に、画像生成AIはどう使えますか?
長文をそのまま貼り付けて「一枚の図」にする使い方が本命です。画像を作るAIは少し前まで「それっぽい絵を描く」ものでしたが、いまは「情報を整理して見せる」AIに進化しています。だらだら長い議事録を貼り付けると、誰が何を担当するかの関係図が一枚で出てきます。
何がすごいかというと、「何を図にするか」を考える時間ごと省けるところです。これまでは頭の中で要点を整理し、構図を考えてから描いていた。その一番面倒な工程を、長文を放り込むだけで肩代わりしてくれます。スライドもデータの可視化も同じ要領で、もう特殊なスキルではなくなりました。

Q02なぜ社内の資料は、読まれないのですか?
人は文字がびっしり並んだものより、図で見た方が早く分かるからです。「見せた方が速い」のは全員わかっている。ただ、分かりやすい一枚の図を作るコストが高すぎました。一枚に30分かかるなら文章で済ませよう、となっていたのです。
だから打ち合わせになると、誰かが必ずホワイトボードに描き始めます。図の方が伝わると全員が体で知っているのに、資料になると文字に戻る。この矛盾の原因は作図コストで、そこが最近ガラッと変わりました。
Q03分かりやすい図が出ないときは、どうすればいいですか?
原因はたいていAIではなく手前にあります。元の情報が「何を伝えたいか」絞れていないのです。図にする前に「これで何を分からせたいか」を一行で書く。たったこれだけで、出てくる絵が劇的に良くなります。
私が失敗したのは、あれもこれも一枚に詰め込もうとしたときでした。全部渡せば賢く整理してくれるだろう、と。逆でした。盛るほど、図はぼやけます。
何を渡すかより、何を捨てるか。これはAIに限らず、人に何かを伝えるときの本質そのものです。
Q04ビジネス資料向けの画像生成には、どんな指定が効きますか?
4つの指定が効きます。「16:9で、インフォグラフィック風に」「背景は白(#FFFFFF)」「シンプルなアイコンやロゴを使って」、そして個人情報や実在の企業名を図に出さない指定です。ChatGPTの画像生成(gpt-image-2)でも、GeminiのNanobananaでも、いつものチャットで「画像を作成して」と頼むだけで今日から試せます。
- 「16:9で、インフォグラフィック風に」と添える:資料にそのまま貼れる横長の見やすい図になる
- 背景は「白(#FFFFFF)」を指定する:スライドにもメールにもすっと馴染む
- 「シンプルなアイコンやロゴを使って」とお願いする:文字で説明する図より、一目で直感的に伝わる構図になる
- 個人情報や実在の企業名は図に出さないよう指定する:社内でも気兼ねなく回せるようになる
元ネタは、議事録の文字起こしをそのまま貼り付ければ十分です。身構える必要はありません。
Q05図にすると、社内の何が変わりますか?
口頭で繰り返していた説明そのものが減ります。引き継ぎ、新人研修、部署間の認識合わせ──毎回同じことを口で説明していた業務が、一枚絵にしておけば「これ見といて」で半分終わります。修正も「ここ直して」と言えば会話のスピードで作り直せます。

全社の資料を作り直す必要はありません。まずは、社内で一番伝わっていない一枚。毎回同じ説明をしている、あの資料だけ試してみてください。一枚効くと分かれば、あとは自然に広がります。
よくある質問(FAQ)
- Q. 特別なツールの契約が必要ですか?
- A. 多くの場合、不要です。ChatGPTを使っているならその中の画像生成(gpt-image-2)、Geminiを使っているならNanobananaで試せます。道具は、たぶんもう手元にあります。
- Q. 元ネタは、どこまで整えてから渡せばいいですか?
- A. 議事録の文字起こしをそのまま貼り付けるレベルで十分です。ただし「これで何を分からせたいか」を一行添えること。整形よりも、伝えたいことの絞りが図の質を決めます。
- Q. 図解のスキルがない人でも作れますか?
- A. 作れます。いつものチャットで「画像を作成して」と頼むだけです。要点整理や構図決めというこれまで一番面倒だった工程を、AIが肩代わりしてくれるので、作図は特殊なスキルではなくなりました。
- Q. どの資料から試せばいいですか?
- A. 社内で一番伝わっていない一枚からです。共有したのに毎回同じ質問が来る資料、口頭説明を繰り返している引き継ぎ資料が候補です。全部を作り直す必要はありません。
AUTHOR

黛 政隆(まゆずみ まさたか)
株式会社GembaShift 代表取締役CEO
エンジニア歴20年、PM経験50件超。生成AIの導入を、現場に入って一緒に組む仕事をしています。 この記事の内容は、著者自身が実際に手を動かして業務で検証した実体験に基づいています。